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2018/09/19 00:21

時計を購入する際に販売員から聞いたことがあるかもしれませんが、時計を磁気が発生するものに近づけていけないというものです。


現代社会は身の回りの至る所に磁気を発生させるものが非常に多く存在します。例えば、スマートフォンなどの携帯電話やパソコンはよく腕時計を「磁気帯び」させる原因となりますし、女性であれば、バッグや財布の留め具に使われているマグネットには強力な磁気があります。
 
私たちの日常では、これら磁気を発生させるものに囲まれて生活しております。普通に生活をしているとスマートフォンなどが磁気を発生させているとは思わないかもしれません。しかし、時計にとってはそれらが発生する磁気に長期間さらされることで精度を狂わせ、時には「止まり」をも生じさせてしまうかもしれない大敵なのです。  
 
今回は、時計の弱点である「磁気」について少々書かせていただきます。そして、そんな弱点に対して心強い「磁気に強い腕時計」の存在についてもご紹介させていただきます。

■なぜ「磁気」が時計の弱点なのか?

時計が強い磁気を浴び続けるととどうなるのでしょう?これを分かりやすくするために、時計の種類ごとに「時計の種類における磁気の影響」を簡単にまとめてみました。
 
1. 「機械式時計(主に自動巻き・手巻きなどのゼンマイで動くタイプの腕時計)」が受ける磁気の影響
ムーブメントの内部部品は金属でできており、強い磁気を浴びると部品が磁化(磁気を帯びること)してしまいます。機械式時計の内部にはゼンマイの解ける速度の制御装置に「テンプ」という部品がありります。テンプは左右均等に動く振り子のような役目をしており、磁気がこのテンプの精密な動きに影響を与えると、時計の精度の悪化や止まりなどがおこることがあります。
 
2. 「クォーツ式(主に電池で動くタイプの腕時計)時計」が受ける磁気の影響 
アナログ式(針式)のクォーツ時計は磁石の性質を利用する「ステップモーター」という装置があり永久磁石が使われています。そのため、強い磁気を受けると正常に動かないことがあります。
 
上記のように、機械式時計・クォーツ時計どちらも磁気による影響を受けますし、特に磁気による影響が比較的大きいのはクォーツ時計より機械式時計です。機械式時計はムーブメント内にある残留磁気レベルであってもテンプに影響を及ぼす可能性があるからです。逆にクォーツ時計の場合は、ムーブメント内の残留磁気レベルがよほど大きくない限りは影響が少ないと考えられています。
 
このような理由により、クォーツ時計は磁気で時計が狂ったら時刻合わせで直せば比較的問題が少ないと考えられています。(問題が無いわけではないので、過信は禁物です)逆に機械式時計の場合は「磁気で時計が狂う=磁気帯び」と考えられています。つまり、機械式時計が磁気で時間が狂ったら「磁気抜き修理」が必要と判断されます。        

■私たちの時計は「規格」で守られている!?

ここで疑問に思われるかもしれませんが、弱点がわかっているのなら腕時計の磁気対策はとられていないのかというと、実は世界が定めているISO(国際標準化機構)の規格に磁気に関する項目があります。ISO規格では20ガウス(約1600A/m)で基準が設けられており、ISO規格で作られている一般的な腕時計でもそれだけの耐磁性能があります。つまり、普通の時計であれば最低限この20ガウスという耐磁性能があり、日常の磁気から守られています。

さらに、皆様にも馴染みのあるJIS規格(日本工業規格)でも磁気に関する項目が設定されており、腕時計に耐磁性能を与えようとする姿勢は時計業界で浸透しています。簡単ではありますが下記がISO規格とJIS規格が定める耐磁性能です。 

<ISO規格で定められる耐磁性能>
一般の時計:20ガウス(約1600A/m)
ダイバーズウォッチ:60ガウス(約4800A/m)

<JIS規格で定められる耐磁性能>
一種耐磁:60ガウス(約4800A/m)
二種耐磁:200ガウス(約16000A/m)

ISO規格に準拠している場合は時計に最低限の耐磁性能が付くことが定められており、さらに日本メーカーの時計であればスペック開示で一種、二種、なし(1600A/m)のどの耐磁性能かが分かります。しかし、「時計が規格値以上の磁気を浴びれば磁気帯びをする」ということでもあるので、お使いの腕時計が耐磁性能の高い腕時計であっても過信は禁物です。 


■時計を磁気発生源から「5cm以上」離すようにしましょう!

ちょっとしたことで日常で磁気帯びを防ぐことが可能です。それは磁気を発生させるものから自分の時計を「離す」ことです。
 
では、どのぐらい離せば良いのでしょうか?
例えば、携帯電話のスピーカー部に「密着状態」でれば15000A/m以上の磁気を受ける場合があります。機種や環境によっては20,000A/mを超えることもあります。JIS規格の二種耐磁でも耐えられない可能性があります。
 
しかし、「約5cm」離せば一般の腕時計でも耐えれる1600A/m以下になると言われています。実は私たちの生活環境内の磁気発生源であれば、「時計から約5cm以上離す」ということをするだけで、ほとんどの場合で磁気の影響をかなり軽減できます。
 
試験的に実際にアイフォンを手に持って、同じ腕につけた腕時計とアイフォンのスピーカー部分(本体下部にある)との距離を測ったところ約10cmありました。携帯電話を通常使用するぐらいでは磁気帯びの危険性は低いでしょう。むしろ磁気帯びの危険性が高まるのは「腕時計を外した際に置く場所」ということになりそうです。例えば、携帯電話の近くに置く、テレビやパソコンの近くに置く、更に女性の場合はバッグの中のマグネット留め具の付近に入れるなど。これ以外にも危険な場所はありそうですが、どれもちょっと気をつければ避けられるものばかりですね。結論としては日常の「ちょっとした注意」をしていれば問題はなさそうと言えますね。


■最後に

私たちの身の周りの「磁気」は腕時計にとっては脅威ですが、過剰に気にする必要はありません。どうしても気になる場合に、磁気帯びを避ける手段は二択です。 
「磁気帯びをさせない使い方」をするか「磁気に強い時計を選ぶ」かです。

最近は耐磁性能が高い時計のラインナップも増えてきており、選択の幅は広くなってきていると思います。もしこれから時計を購入する予定がある方、特に高級時計購入をお考えの方は耐磁時計も選択肢にいれてみてはいかがでしょう。

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